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バイクライフライター 小林ゆき 氏

岡本とは古くからの友人である小林氏。バイクツーリング雑誌「ラ・モト」や「クラブマン」の編集者を経験後、1998年に独立。現在はバイクライフライターとして、雑誌をはじめとした各方面で活躍中。
小林ゆきBIKE.blog(新しいウィンドウで開きます)

運命的に出会った友だちもあれば、いつ出会ったか思い出せないくらい気づいたら友だちになっていた、という人もいる。

イラストレーターの岡本正樹さんは、まさに後者だ。
いま思い出そうとしても、どうしても最初のいきさつを思い出せない。
たしか、私はまだバイク雑誌業界にはいないときに、カワサキつながりで誰かを介して出会ったような気はする。
それが誰とだったのか、どこでだったのか。
岡本さんは岡本さんで、出会った当時は“ローレプ乗り”の人だった。
ローレプとはローソンレプリカのこと、と知ったのも岡本さんを通じて知ったような気がする。

たしかサーキット走行会で再会したこと。
その後、私がクラブマンに移籍したときにばったり会社の近くで再会したら、実はその近くに住んでいる、ということがわかり。
新宿だったか渋谷だったか、バイクにはまるで関係ないところでばったり出会ったこともあったっけ。
そこいらへんの全ての記憶があいまいなのだが、そんな風にして私たちはバイク乗りとして互いを認識していった。
そのうち、私はフリーランスとなり、岡本さんはイラストの世界にシフトしていった。

岡本さんのそれは、好きが高じて、というレベルではなかった。
岡本さんがイラストをショーやサーキットで販売し始めたころ、「この業界でやっていくって決めたのって、相当勇気が要ったんじゃないですか」と尋ねてみたことがあった。
すると、岡本さんはいつものクリクリとした目をギョロッと輝かせて、「オレはね、“絵描き”になりたいの。画で喰ってきたいってのはそりゃあるけど。売れれば嬉しいけど、オレは画を描いているときが最高にシアワセ!」と語っていたのが印象的だった。
当初は仕事をしながらイラストを描きためていて、いったいいつ描くんですか、お休みの日に描くんですか、と尋ねたら、「毎日だよ?。毎日描くんだよ。夜中1時、2時まで描く。休みの日は一日中描いてる。オレは、まずは世界で一番たくさんの種類のバイクの画を描きたいんだよ」と答えた。
確かにバイクのイラストを描いているイラストレーターは、プロ・アマ問わずたくさんいる。
その中で抜きんでるためには、何かが要る。
岡本さんの画は、一発で解る独特の画風だけど、それだけにはとどまらず、“世界一たくさんの種類のバイクの画”という明確な目標を持って、生業とした。

岡本さんのしゃべりは独特の柔らかさがあって、しゃべっているとこっちもホッとするような雰囲気があった。
だから、モーターサイクルショーやサンデーレース、鈴鹿8耐にモトGPなど、ブースを出しているのを見かけると必ず寄っては立ち話をしに行った。

いつものように、東京モーターサイクルショーでM collectionのブースを見かけた。
通りがかったのは朝一番だったので、忙しいだろうと声をかけなかった。早苗さんの姿だけ確認して、ああ、岡本さんは準備してるかどっか行ってるのかな、としか思わなかった。
午後、反対方向からブースの前を通りがかったとき、いつものように並べてある岡本さんのイラストの間に、岡本さんの写真とともに本人を紹介するPOPがかけてあった。
てっきり、「ああ、誰が描いているか紹介するのもプロモーションのうちだよなぁ、だんだんすごくなってゆくなぁ」なんて思いつつ、なんて書いてあるのか近寄ってみると……。
「昨秋、突然の病に倒れ……」
人は突然の悲報に必ず「ウソでしょ」と思うものなのだろうか。
無意識に、右へ左へ3往復ぐらいしたのだと思う。
それでも、書いてあることが冗談でもなんでもなくホントなのだとわかってその場にいられなくなった。

まだショーは一般入場者の入場が始まったばかりで、とても早苗さんに声をかけてはいけないと思った。
ショーが終わったのを見計らって早苗さんに声をかけた。
倒れたのはモトGPのほんの4日後だったという。
「突然、人生を絶たれて、本人はどう思ったのかわからないんで、こうして出展してみようかと……ばたばたしてほんとまだ実感がないんですけどね」と気丈にも語ってくれた。
享年42歳。これから、という人であった。
あまりにも早い死でかける言葉も失うけれど、残されたイラストが岡本さんのなりを語ってくれると思う。

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