2006年10月に発売した『Dream CB』を制作していた僕は、表紙に使用するイラストを探していた。
そのとき、ホンダの担当者にいいイラストがある、と紹介されたのが岡本さんのイラストだった。
水彩画のイラストは、バイクの持つ魅力と暖かみが感じられ、心がわくわくした。
「これだ！」と思った僕は、さっそく岡本さんに電話をした。
岡本さんは快く了承してくれた。その電話が岡本さんとの初会話だった。

表紙のデザインを岡本さんに送信したところ「かっこいい。早く雑誌を見たい。発売が楽しみです」と返事が返ってきた。
ところが、『Dream CB』発売日の9日前に、岡本さんがくも膜下出血で亡くなられたことを知らされた。
あまりにも突然すぎて信じられなかった。
岡本さんが楽しみにしてくれていた『Dream CB』をまだ渡していないというのに……。
僕は大きな協力者を失ったような悔しさでいっぱいだった。
その後、2007年3月に発売した『Go! Go! Monkey!』の表紙にも岡本さんのイラストを使用させていただいたが、岡本さんのイラストのおかげで2誌とも大好評だった。

42歳という若さで他界された岡本さんは、本当にバイクを愛していた心の温かい人だと理解している。
岡本さんの意思とバイクへの想いは、数多く描かれた作品の中で生き続けている。
また岡本さんのイラストを誌面で紹介していきたいと思う。
岡本さんの作品がある限り、岡本さんは僕の雑誌作りに必要な協力者だと思っている。